世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
津川友介
「結局、なにが体にいいの?」
テレビを観ていたり本や雑誌を見ているとそう思うことってありません?そんなモヤモヤに明確な解答を出してくれるのがこの本なんです。どんな食事が体にいいのか、病気のリスクを下げてくれるのかということについて科学的な調査結果をもとに紹介してくれているので、ものすごく明快で説得力があるんです。
特に、がんや糖尿病、心疾患、脳血管疾患などについての話が多いので、そういった病気のリスクが気になるけどどうしたらいいかわからなかったり、自分がしていることが正しいのか不安だったりする方に特に参考になると思います。僕は保険の営業をしているので、病気のことについて話をする機会が多いですが、この本に書いてあることなら安心して話せます。
と、こんなことを書いているとおカタい学術書のようなイメージを持つかもしれません。でも安心してください、とっても読みやすいんです。根拠はガチガチなんですが、話自体は別に難しい単語な難解な数字が出てくるわけではありません。どちらかというと読みやすい部類の本に入ると思います。印象に残りやすいフレーズも多いです。
世の中に溢れている健康本を一刀両断にズバッと切り捨て、自身の理論を展開させる文章に爽快感すら感じてしまいました。例えばなぜ正しくて健康的な食事に関する情報が少ないのか?ということについてもこんな感じに明確に答えています。
-栄養士は、「このような食事をすれば健康になる」というルールを一般人に指導することに関しては秀でているが、そのルールがそもそも本当に科学的根拠にもとづく正しいものであるかどうかを判断するために必要な専門知識(統計学や疫学と呼ばれる学問)を持っていない人も多い。
つまり、世の中には科学的根拠を判断できて、なおかつ、それを一般的に広めるという存在があまりいないということなんですよね。そして、正にこの本がその役割を果たしているのだと思います。
この本では科学的根拠、エビデンスが何度も登場します。エビデンスって最近よく目にするようになった気がしますが、エビデンスにも強い、弱いがあるってご存知でしたか?
研究方法の違いや同じような研究結果がどれくらいあるのかによってエビデンスの強さが変わってくるということなんですが、この本では今、話題にしていることがどれくらいの強さのエビデンスなのかをきちんと付け加えながら解説してくれるんです。
ちなみに『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』という本は著者の体験談であり、エビデンスびが全くないのでダメ。とバッサリ斬られています。
著者の津川さんはUCLAの助教授で医療政策学というのを専門にされています。医療費の増大を避けるためには理論と科学的根拠が不可欠ですし、それをどう社会に組み込むかということが大切ですので、医療だけでなく政治や統計などもカバーした学問のようです。だから、このような本の内容になるんだと納得してしまいました。
世の中にはたくさん健康に関する情報が溢れていますが、この本を読んだ後には信頼できる情報はそんなに多くないと思えるようになると思いますし、もしかしたら健康的な食事に対する考え方が180度変わってしまうかもしれません。