「1日外出録 ハンチョウ」が味わい深い。
賭博黙示録カイジのスピンオフ「中間管理録トネガワ」がスマッシュヒットしてましたが、今度はセカンドシーズンともいえる賭博破戒録カイジのスピンオフ作品として
「1日外出録 ハンチョウ」が登場しました。
ハンチョウと言えば、あのイカサマチンチロリンのハンチョウです。
ハンチョウがイカサマのチンチロリンで荒稼ぎしたペリカで行っている1日外出はどんなものなのか?地上でハンチョウはどんな風に豪遊しているのか?その内容がここで明らかになっています。
1回の1日外出が1話になっているので読みやすいです。
ちょっとだけ内容を紹介
ここからは、ネタバレとまではいかないですが内容について書きますので、あまり見たくない方はご遠慮ください。
そもそも豪遊していなかった!
そう、ハンチョウはイカサマで稼いでいますので、普段の欲望をさんざん抑えてなんとか出てきたわけではないのです。だから豪遊はしていないんです。もっとツウな楽しみ方をしているんです。
例えばこの回「飲芋」ではアンテナショップをめぐります
こんな感じで、賭博破戒録カイジの雰囲気は残しつつも内容は完全にはっちゃけているんです。僕は中間管理職ではないのでトネガワにはなかなか共感出来ない部分もありました。かと言ってハンチョウに共感するわけでもないんですが、その気持ちは分からないでもないです。ちょっと真似したくなる(笑)
あの小憎たらしいハンチョウが地上ではこんな感じなんだと思うと、結構ハンチョウのことが好きになってしまう自分がいました。
ライバル現る
しかし、そんなハンチョウの牙城を脅かす存在が現れます。
そう、他の班のハンチョウです。彼らも黙って大槻班長の行動を指を加えてみているわけじゃないんですよね。
ホッピーセットというせんべろのんべいには堪らない巧みな言葉で他班の人たちを誘惑してます。ホッビーやカレーせんといった新兵器の登場に危機を感じたハンチョウは1日外出を使ってドンキに仕入れに行くわけです。
なかなか対抗策が見つからないハンチョウが1日外出の時間切れギリギリでみつけたもの、それは…
柿放題(カキホーダイ)!!
みんなざわざわしています。
こんな感じで、元々の作品の雰囲気をきちんとのこしつつ、班長の人間味をふんだんに取り入れてます。
カイジのマンガの魅力の一つに「理性と欲望の中でゆらぐ心理描写」というのがあります。カイジではそれがシリアスでスリリングに描かれていますが、この「1日外出録 ハンチョウ」ではその心理描写は完全に笑いの方に振ってるんですよね。
いい感じで柿放題に翻弄される班員と翻弄するハンチョウが描かれていて、バカバカしいんだけど、それだけではない味わい深い作品になってます。
2巻にも期待です!