カーネギーをよんで面白いスピーチについて考えてみた。
こんな本を読みました。
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「人の動かし方」で有名なカーネギーさん。この本にも特に目新しくはないけれども本質的で大切なことがたくさん書いてありました。ただ、案外バラバラにでてくるので、順序立ててまとめてみたいと思います。
面白いスピーチとつまらないスピーチの違いは何か?
とあるスピーチで新聞の記事をそのまま話をした人がいました。その事実は間違っていないのですが、全く面白くない。そこでカーネギーはこう言いました。
誰かが言ったことではなく、あなたが一個人として何を思っているかを話してください。スピーチの中に、もっと自分自身を注ぎ込むのです。どうでしょう、来週も同じ題材でやってみませんか? まずは記事を再読して、その筆者に同意するのかどうかを自問してみてください。賛成ならそれを熟考し、自分の体験に基づいた意見に照らして、具体的に説明していただきましょう。もし反対なら、そう断った上で理由を述べてくださいませんか? 要はその記事を、スピーチをはじめるための単なる出発点にすることです。
それから一週間、自分がどう思うかを考えて、それを盛り込んだスピーチをしたのですが、それは一週間前とはまるでちがうスピーチとなったそうです。
つまり、その人が話す意味が無いといけないんですよね。一般論ならべつにその人から聞かなくてもいいわけです。個人的な感情や意見を述べることに話す意味があるわけです。記事はその意見を述べるための引用でしかない。そしてその意見は正しいとか正しくないとか関係ないんですよね。いずれにしてもその意見によって反応する自分が面白いわけですから。
こんな記事が話題になっていました。
この記事に賛同する人もいれば、反対の人もいると思います。どっちも正しい意見なんだと思います。正確に言うと、「どっちも“その人にとっては”正しい」意見なんです。そしてその意見を引出したことがこの記事の価値なんですよね。
スピーチの評価とスピーチに反応する自分への評価
本を読んだり、映画を観たりして面白いと感じることがありますよね?感動して泣いたり、怒ったりすることもあるでしょう。もちろんその本や映画の内容が素晴らしいというのもあると思います。
でも、その時の気持ちをよーーく思い出してみてください。
その映画を観て感動している自分っていいな、って思ったことありません?怒っている自分の正義感を誇らしく思ったことありません?
そこまでいかなくても、そういった本や映画に触れることで自分自身の気持ちを確認できる、ということはあるのではないでしょうか?
それって実は
スピーチを聴きながら自分を見ている
ということなんだと思います。つまり、本や映画を楽しむのと同時に自分自身とも会話をしているわけです。ドナルド・トランプのスピーチを聞いた白人のあまり所得が高くない層の人たちは、トランプのスピーチに共感しながら、自分自身を肯定して高揚するんです。
また「この世界の片隅に」を観て感動すると同時に、その感動している自分の感情にも感動するのです。この映画に感動している自分はいいなーって(笑)だからファンって熱狂的なんですよね、きっと。その作品を否定してしまうと、自分自身も否定してしまうことになってしまうわけですから。
スピーチの面白さには2つある
面白いスピーチというのも同じように、スピーチ自体の面白さもさることながら、自分はどう思うのか?と思わせることが面白さになっている。そして、そのためには一般論ではなく個人的感情や経験談を注入してあげないといけないわけです。そういう関心をもってもらえる個人的な意見ができるか、ということが面白いスピーチかどうかの分かれ目になるんじゃないかと思いました。
じゃあ、具体的にどうやって作ればいいの?
とは言え、そんな簡単に関心をもってもらえるような話を考えるって難しくない?って思ったのでもう少し具体的に見ていきたいと思います。
カーネギーはスピーチの準備の仕方についてこう言っています。
スピーチの準備とは、考えること、さらに深く考えること、思い出すこと、最も心を引かれるものを選び出すこと、それらに磨きをかけて一つのパターンにまとめ、あなたの独自のモザイク模様をつくることです 。
また、こうも言っています。
実例と一般論を積み重ねたおいしそうなケーキ──スピーチはこうでなくてはいけません。見聞きした具体例と、それらの実例から説明できるとあなたが思う原理について、考えを深めるのです。
一般論で概要を示しながら、具体例でわかりやすく伝える。このバランスと組み合わせでいかに自分の気持ちを表現して伝えるかということですね。以上のことをまとめると
- 伝えたいことを決める
- なぜ、そのことを伝えたいのか?それは自分のどういう感情・経験からきているのか考える
- 2で考えたことと同じようなこと・出来事を探して引用に使う
- どうやって聞いている人に共感してもらえるかを考える
- 興味を持ってもらえるような導入部分のつかみを考える
- 最後の印象的な終わり方を考える
これをやれば面白いスピーチが作れる!(はず)